手・足白癬(水虫)とは
手・足白癬(水虫)は、**皮膚糸状菌(白癬菌)**という真菌(カビ)が手や足の皮膚に感染して起こる病気です。
特に足白癬は日本で最も多い皮膚真菌症で、5人に1人が罹患しているともいわれています。しかし、実際に治療を受けている方は少なく、長期間放置されていることも珍しくありません。
足白癬を放置すると、**爪白癬(爪水虫)**へ進行したり、ご家族へ感染したりする原因となります。
水虫の原因
原因は皮膚糸状菌(白癬菌)の感染です。
白癬菌は、患者さんの皮膚から落ちた角質(皮膚の垢)に付着し、次の人へ感染します。
感染しやすい場所には、
- 温泉・銭湯
- スポーツジム
- プール
- サウナ
- 共用スリッパ
- 畳やカーペット
- 家庭内のバスマット
などがあります。
ただし、白癬菌が付着しただけで必ず感染するわけではありません。皮膚が傷ついていたり、長時間湿った状態が続いたりすると感染しやすくなります。
このような症状はありませんか?
次のような症状がある場合は、水虫の可能性があります。
- 足の指の間が白くふやける
- 足の指の間が切れる・痛い
- 足の裏の皮がむける
- 強いかゆみがある
- 小さな水ぶくれができる
- 足裏全体が厚く硬くなる
- 手のひらや指先の皮がむける
- 片方の手だけに症状がある
これらの症状は湿疹やかぶれでも起こるため、見た目だけでは診断できません。
手・足白癬の種類
指(趾)間型足白癬
最も多いタイプです。白癬菌は湿度が高く、皮膚が柔らかい指趾間から角層(皮膚)に侵入します。
足の指の間が白くふやけ、皮がむけたり、赤くなったりします。
症状が進行すると、亀裂ができて痛みを伴うことがあります。
外用剤治療期間の目安:2ヶ月以上
生活上注意すること:局所か蒸れないようにすること。
小水疱汗疱型足白癬
白癬菌が指趾間から指趾腹や掌蹠に寄生領域を広げると、土踏まずや足の縁に小さな水ぶくれができます。
この時期は急性炎症により強いかゆみを伴うことが多いです。
春から夏に悪化しやすいタイプです。
外用剤治療期間の目安:3ヶ月以上
生活上注意すること:局所か蒸れないようにすること。
角化型足白癬
病変部がさらに、かかとや母指球に及ぶと角化型になります。
足裏全体の皮膚が厚く硬くなります。
かゆみは少なく、「乾燥肌」や「加齢」と思って放置されることがあります。
外用剤治療期間の目安:6ヶ月以上
このタイプは塗り薬だけでは治りにくく、内服治療が2ヶ月程度必要になることがあります。
生活上注意すること:健康サンダルや軽石などの過角化をもたらす刺激を避ける。
手白癬
手白癬は足白癬より少ないものの、片方の手だけに症状が出ることが特徴です。
- 手のひらの皮むけ
- 指先のひび割れ
- 乾燥したような症状
がみられます。
「主婦湿疹」や手荒れと間違われることもあります。
水虫は見た目だけでは診断できません
皮膚科では、水虫が疑われても見た目だけで診断することはありません。
湿疹、汗疱、乾癬、接触皮膚炎など、水虫によく似た病気があるためです。
当院では、日本皮膚科学会ガイドラインに基づき、真菌を確認してから診断しています。
当院で行う検査
真菌直接鏡検(顕微鏡検査)
患部の角質を少量採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかを確認します。
短時間で結果がわかる、水虫診断の基本となる検査です。
水虫の治療
外用抗真菌薬(塗り薬)

ほとんどの手足白癬は塗り薬で治療します。
症状が良くなっても皮膚の中に真菌が残っていることがあるため、症状が消えても一定期間治療を継続することが重要です。
図)日本皮膚科学会「皮膚真菌症診療ガイドライン2025」より引用
内服抗真菌薬(飲み薬)
次のような場合には内服治療を検討します。
- 角化型足白癬
- 広範囲の病変
- 外用薬で改善しない
- 爪白癬を合併している
肝機能や内服薬との飲み合わせを確認したうえで処方します。
日常生活で気を付けること
再発や家族への感染を防ぐため、次のことを心掛けましょう。
- 毎日足を洗い、しっかり乾燥させる
- 靴下は毎日交換する
- 通気性の良い靴を履く
- 靴を毎日履き替える
- 家族でバスマットを共用しない
- 爪白癬があれば一緒に治療する
よくある質問
水虫は自然に治りますか?
自然に治ることはほとんどありません。放置すると爪白癬や家族への感染につながることがあります。
市販薬で治りますか?
軽症では改善することもありますが、水虫ではない病気に使用すると悪化することがあります。
まずは皮膚科で真菌検査を受けることをおすすめします。
かゆくない水虫もありますか?
あります。
角質増殖型足白癬では、かゆみがほとんどないことも珍しくありません。
家族にうつりますか?
白癬菌は家庭内でも感染することがあります。
バスマットやスリッパの共用に注意し、ご家族に症状がある場合は一緒に診察を受けることをおすすめします。
当院の診療方針
当院では、日本皮膚科学会「皮膚真菌症診療ガイドライン2025」に基づき、顕微鏡検査で白癬菌を確認したうえで診断・治療を行っています。
症状や病型に応じて、外用薬・内服薬を適切に選択し、再発予防や生活指導も含めた診療を行っています。
「水虫かもしれない」「市販薬で治らない」「皮むけやかゆみが続く」「足裏が厚くなってきた」などの症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
























