アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎(アトピー)は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚の病気です。特に乾燥しやすい冬や春先、または汗をかく夏の運動時に悪化しやすく、多くの患者さんがかゆみや見た目の症状に悩まされています。
このページでは、アトピー性皮膚炎の年齢別の症状・原因・最新の治療法について、分かりやすくご説明いたします。
【目次】
アトピー性皮膚炎の主な症状(年齢別に解説)
アトピーの症状は年齢によって変化します。以下のように、3つの時期に分けて発症部位や症状の特徴があります。
◆ 乳幼児期(0〜4歳頃)
- 頭や顔から始まり、全身に赤くじゅくじゅくした湿疹が広がります。
- 離乳食や唾液の刺激で口の周りにも湿疹が出やすいのが特徴です。
◆ 小児期(5歳〜思春期)
- 肌全体が乾燥しやすくなり、肘や膝、わきなどの関節部分に湿疹が出やすくなります。
- 「耳切れ」と呼ばれる耳たぶの亀裂もよく見られます。
◆ 成人期(思春期以降)
- 上半身や顔全体に広範囲で症状が出ることがあります。
- 特に顔の赤み、首の色素沈着(さざ波状)、**かゆみを伴う痒疹結節(ようしんけっせつ)**などが現れやすくなります。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下によって、外部刺激やアレルゲン(アレルギーの原因物質)に過敏に反応してしまうことが原因とされています。
- 家族に**アトピー体質(アレルギー性鼻炎、喘息、結膜炎など)**の方がいる
- 生まれつき**IgE抗体を作りやすい体質(アトピー素因)**がある
などの背景も大きく関係します。
アトピー性皮膚炎の治療法
当院では、アトピー性皮膚炎の治療において、以下の3本柱を大切にしています。
- ① 外用、内服、注射による治療
- ② スキンケア
- ③ 悪化因子(アレルゲンなど)の把握と対策
以下に詳しくご紹介します。
1. 外用治療(塗り薬)
- ステロイド外用薬:炎症を抑える基本的な治療薬です。
- 非ステロイド外用薬:プロトピック軟膏®、コレクチム軟膏®、モイゼルト軟膏®、ブイタマークリーム®を部位や症状に応じて使い分けます。
- 保湿剤(スキンケア):乾燥を防ぐことで、かゆみや再発を予防します。
2. 光線治療(エキシマ光線療法)
当院では、308nmの紫外線(エキシマライト)を使った光線療法を行っています。
- 紫外線によって免疫反応の過剰な働きを抑制
- 皮膚のかゆみや炎症を短時間で沈静化
- アトピーの他にも乾癬・白斑・掌蹠膿疱症・円形脱毛症などに保険適用
1回5分程度、最初は週1回、その後2〜4週に1回のペースで継続します。
3. 内服薬(飲み薬)
◆ 抗ヒスタミン薬
- かゆみを和らげる基本的な治療薬です。
- 夜間のかゆみが強い方や、日中に眠気が出にくい薬など、ライフスタイルに合わせて処方します。
◆ シクロスポリン(ネオーラル®)
- 16歳以上の患者さんに対し、外用薬や抗ヒスタミン薬で効果が不十分な場合に使用します。
- 早期に強いかゆみを改善します。
- 腎機能の定期検査が必要です。
◆ JAK阻害薬(経口)
- 比較的早くかゆみや湿疹が改善
- 主な薬剤:
- バリシチニブ(オルミエント®)
- ウパダシチニブ(リンヴォック®)
- アブロシチニブ(サイバインコ®)
- 免疫を抑制する作用もあるため、服用前に胸部レントゲンや採血を行います。
4. 皮下注射(生物学的製剤)
◆ デュピルマブ(デュピクセント®)
- アトピー性皮膚炎の病態に関わる**インターロイキン-4(IL-4)とインターロイキン-13(IL-13)**の働きをブロックすることで、炎症やかゆみを抑える注射薬です。
- 生後6か月以上から使用可能で、2週に1回の皮下注射で治療を継続します。
- 中等症〜重症のアトピー性皮膚炎に効果が期待され、長期的な症状改善が見込めます。
◆ レブリキズマブ(イブグリース®)
重度のかゆみや炎症に悩む方にとって、新たな治療選択肢として注目されています。2023年に新たに登場した生物学的製剤で、IL-13を選択的に抑制することで、アトピー性皮膚炎の症状を改善します。
12歳以上かつ40kg以上の中等症~重症のアトピー性皮膚炎が対象で、2週に1回の皮下注射で4回目以降は症状が良ければ4週に1回の皮下注射となります。
〜アトピー性皮膚炎の注射薬を始めるとき〜
<注意事項>当院では保険診療での治療を行なっているため、アトピー性皮膚炎の診断を行い、さらに適応を満たした方が対象になります。また、定期的な通院が難しい方には当院での治療はできません。
・適応
- 当院で半年以上の治療を行なっているのにも関わらず皮膚症状が改善に乏しい中等症以上のアトピー性皮膚炎の方
- 生後6ヶ月以上の方

1, 半年以上当院で治療を行い、他の治療での改善が難しい方には医師からの説明があり、生物学的製剤の説明動画(左のタブレット)を御視聴いただきます。
2, わからないことや不安なことをご質問いただきます。高額療養費制度や付加給付制度などを使用される場合は次回受診までに健康保険組合などに確認していただきます。

3, 看護師とデモ機で自己注射の練習をしていただきます。
4, 実際の投与日は初回と2回目は院内で注射を行います。
5, 3回目以降は手技や管理に問題がなければご自宅で自己注射を行っていただくことも可能です。
〜他院で生物学的製剤を導入され、当院で継続処方をご希望される方〜
- 必ず前の病院からの診療情報提供書(症状出現時期、標準治療開始日、生物学的製剤治療開始日、生物学的製剤治療開始時の皮疹のスコア、治療の経過が記載されたもの)をご持参ください。
- マイナンバーでの薬剤情報やお薬手帳の提出をお願いします。多数病院での重複処がある方は当院では治療をお断りする場合があります。
- 定期的な通院が難しい場合や、他院と併用して受診される予定がある方は当院では治療をお断りする場合があります。

当院のアトピー治療の特徴
当院では、患者さま一人ひとりの年齢・ライフスタイル・重症度に応じた最適な治療を行っています。
- スキンケア指導
- 塗り薬の塗り方の説明
- 最新治療の導入(JAK阻害薬・光線治療・デュピクセント・イブグリース)
アトピー性皮膚炎に悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. アトピーは治りますか?
A. 完全に治るというより「うまくコントロールしていく病気」と考えられています。適切な治療と生活管理で症状を抑えることが可能です。
Q. 市販薬と病院の薬は違いますか?
A. 病院では症状に合わせた適切な強さの薬を処方します。また、スキンケアや悪化因子の相談もできます。




















