皮脂欠乏性湿疹
いわゆる乾燥肌といわれる症状で、乳幼児や高齢者に多くみられる疾患です。外気の乾燥、気温低下により発汗量が減少する秋~冬におこりやすく、初めは皮膚表面がざらつき、白い粉をふいたような鱗屑がみられ、痒みに敏感になります。
悪化すると亀の甲のようにに皮膚がひび割れ、痒みが強くなります。 さらに悪化すると湿疹を生じます。
原因
加齢
加齢に伴い皮膚表面の皮脂や角質細胞間脂質・天然保湿因子などが減少していくため、肌が乾燥しがちになります。適切なスキンケアによって肌年齢を維持することは可能です。
誤ったスキンケア
石鹸・洗浄剤の過度の使用やすすぎ残しは皮膚の乾燥を悪化させる可能性があります。また、ナイロンタオルやブラシで強くこすると皮膚の水分蒸散を増加させ、皮膚の乾燥を助長します。石鹸・洗浄剤をよく泡立てて泡を手のひらに取り優しく洗うようにしましょう。
湿度の低下
室内の空気が乾燥すると皮膚の水分が蒸散し乾燥するため、過度な冷暖房の使用には注意しましょう。
治療
乾燥肌の原因に合わせて、以下のような治療を行います。
保湿剤
バリア機能が弱くなっているため、保湿剤を塗ることが重要です。お肌の状態に合わせた保湿剤を処方いたします。 特に入浴後は角層から水分が蒸発するため、保湿剤を外用しましょう。
スキンケアの改善
乾燥肌の改善には、自分に足りていない保湿成分を補うケアが大切です。肌の透明感を感じられないなら、肌にうるおいを与える化粧品を選びましょう。うるおい成分配合の化粧品で、しっかりとうるおいを与えるケアが大切です。
皮脂欠乏性湿疹になった場合
悪化して炎症(湿疹)を伴う場合は、ステロイド外用薬で炎症を抑えます。 痒みが強い場合はかいてしまうと症状が悪化するため、経口の抗ヒスタミン薬を内服します。