ほくろとは
ほくろは、良性の母斑細胞メラノサイトの増殖によって生じる、茶色や黒色の小さな色素斑です。多くは良性で健康に影響を及ぼさないものですが、大きくなる・形がいびつ・色が変化してきたなどの場合は注意が必要です。
また、「顔や首の目立つ場所にある」「メイクが引っかかる」「ひげ剃りで傷つきやすい」など、美容的・日常生活上の理由で除去を希望される方も多くいらっしゃいます。
ほくろを除去した方が良い場合とは?
以下のような変化がある場合は、一度医師の診察を受けることをおすすめします。
- 形が左右非対称で境界がぼやけている
- 急に大きくなった、盛り上がってきた
- 色がまだら・黒以外の色も混じっている
- 出血・かゆみ・痛みを感じる
- 見た目が気になり、生活に支障がある
悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんの可能性あるため、皮膚科専門医の診断を受けましょう。
治療方法
黒子(ほくろ)は多くが良性の皮膚腫瘍ですが、場所や大きさ、色、形によって「見た目が気になる」「メイクがしにくい」「悪性ではないか心配」など、治療を希望される方が多くいらっしゃいます。
当院では、黒子の状態や患者様のご希望に応じて、以下の3つの治療法をご提案しています。
1. 手術(外科的切除)【保険適用】
メスで黒子を切除し、縫合して治療する方法です。皮膚の深い部分まで取り除くことができるため、再発リスクが最も低いのが特徴です。切除後は病理検査を行うことも可能で、悪性の疑いがある場合や大きなほくろに適しています。
メリット
- 深部まで確実に切除できるため再発が少ない
- 病理検査で悪性の有無を確認できる
デメリット
- 縫合が必要なため傷跡が残りやすい
- 術後の通院・抜糸が必要
- 鼻・まぶたなど変形しやすい部位では注意が必要
2. 炭酸ガス(CO2)レーザー【自由診療または保険適用の可能性あり】
炭酸ガスレーザーは、水分に反応する性質を持ち、黒子の組織をピンポイントで蒸散(気化)させて除去する治療法です。出血が少なく、皮膚の表面から除去するため傷跡が目立ちにくいのが特徴です。5mm以下の小さな黒子に適しています。
メリット
- メスを使わずに治療可能
- 出血が少なく、ダウンタイムが短い
- 傷跡が目立ちにくく、美容目的にも適している
- 抜糸不要で処置が簡単
デメリット
- 深く削りすぎないため、再発することがある
- 完全に除去しきれないケースもある
- 大きなほくろや隆起の強いものには不向き
3. ルビーレーザー(Qスイッチルビーレーザー)【自由診療】
主にメラニン色素に反応するレーザーで、平坦な色素性病変(扁平なほくろ、しみなど)に使用されます。炭酸ガスレーザーが「削る」治療であるのに対し、ルビーレーザーは細胞内の色素を破壊することに特化したレーザー治療です。
メリット
- メラニンに反応するため、色素性の黒子やしみに適応
- 肌を削らずに治療できるためダメージが少ない
- 治療後の傷跡が比較的少ない
デメリット
- 盛り上がりのある黒子や深い病変には不向き
- 複数回の治療が必要な場合がある
- 保険適用外(自由診療)
黒子治療の比較表
| 治療法 | 特徴 | メリット | デメリット | 保険適用 |
|---|---|---|---|---|
| 手術(切除) | メスで切開し縫合する | 再発しにくい/病理検査が可能 | 傷跡が残りやすい/抜糸が必要 | ○ |
| CO2レーザー | 蒸散で削り取る | 傷跡が目立ちにくい/抜糸不要 | 再発する可能性あり/深い病変には不向き | △(一部) |
| ルビーレーザー | 色素に反応、色だけに作用 | 肌を削らずに治療/術後の傷が少ない | 盛り上がった黒子は不可/複数回必要なことも | × |
どの治療法が自分に合っているの?
黒子の大きさ、深さ、色、盛り上がりの有無、そして**ご希望(傷跡を残したくない・再発させたくない・保険を使いたいなど)**によって最適な治療法は異なります。

当院では、医師が丁寧に診察し、状態を確認した上で、最適な治療法をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。



















